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ひょんなことで知ったバンドLord Echo。ご意見番DJことジャイルス・ピーターソンの影響もあってか、日本でもマニアな層に知られているニュージーランドのバンドです。僕はまったく未チェックだったのですが、オーサカ=モノレールの中田さんがニュージーランドで対バンしたのか(どっかで知り合ったのかな?)、日本の公演時にフィルムを撮ってくれる人を探しているとのことで、たまたま僕のことを紹介してくれ、Lord Echo本人(本名はMike Fabulous)とメールでやりとりするようになりました。で、偶然は続くもので音楽誌からLord Echoのアルバムのレビュー依頼が来たりもして、良い音楽だと思って調べていたら、何とFat Freddy’s Dropと双璧をなす(?)ニュージーランド・レゲエ・バンド=The Black Seedsのメンバーのバンドだったわけで(!) いずれのバンドも大ファンの僕としては、もちろん撮りますよってことで、UNITのライブの映像収録をさせてもらいました。

ちなみにLord EchoはThe Black Seedsに在籍するMike Fabulousが率いるグループ。ちなみにMikeはThe Black Seedsのアルバム『Solid Ground』のプロデューサーも務めているという、わりとバンド内でも中心的な役割を果たしています。Sister Sledgeの「Thinking Of You」のラヴァーズ・カバーがジャイルスにピックアップされてヒット、世界に知られるようになりました。ちなみに彼らはすでに2枚のアルバム『Melodies』『Curiocities』をリリースしています。


こちらは「Thinking Of You」のカバー

もちろんThe Black Seedsはこれまで来日したこともないので、ニュージーランド・レゲエを生で見られるのは個人的にも初の機会。当日はカメラを回しながらでしたが、それは素晴らしいライブだったので、軽くレポートしておきます。今回の来日はサックスにパーカッション、キーボード、ギター×2、ベース、ボーカル、合計7人というフルバンド編成。MikeはThe Black Seedsではギター&パーカッション担当ですが、Lord Echoではギター、ベース、ミキシング(ダブ処理)を交代で兼任していました。サウンドはレゲエを主体にしつつも、アフロ〜ファンクっぽさがあったり、洒落たコード進行でジャジィにいくあたりもThe Black Seedsと共通する部分もありました。それに加えてLord Echoはもう少し打ち込みっぽい要素も強く、そのおかげで曲によってはダブ〜ハウスっぽくもなったりと、そういう意味ではFat Freddy’s Drop的な部分も感じられました。いずれにせよニュージーランドというかThe Black Seeds独特とも言える、レゲエにしては少し早めのBPMでファンキーかつパーカッシブなグルーヴを延々と展開し、そこにエレクトリックなダブワイズが組み合わさるのだから……もう極上の気持ち良さ。演奏も上手で飽きないし、長尺でグルーヴする感じはジャムバンドのようでもあり、あらためてニュージーランド・レゲエ独特の“洗練感”と、懐の深さを垣間見たライブでした。ニュージーランドのレゲエ系アーティストって、本当に巧みにレゲエにいろんな要素を組み合わせるんですよね。The Black Seedsしかり、レゲエ〜ファンク〜アフロをこれほど上手く融合できているのって、世界的に見ても彼らが最高峰のひとつであることには間違いないと思います。ぜひ一度チェックしてみてください。