Best Live 2014
Phil Lesh & the Terrapin Family Band@Field Of Heaven(FUJIROCK)
Brutal Truth@Liquidroom
Donato Dozzy(DJ)@Labyrinth
Kraftwerk3-D@SONIC MANIA
Jupiter@Shibuya-WWW
Lord Echo@UNIT
John Butler Trio@EX-Theater
Hot Tuna@SHibuya-QUATTRO
Alice In Chains@Studio Coast
NAS@StarFes’14
Eddie Palmieri Salsa Orchestra@Blue Note
Soul Clap@Air
Rrose@UNIT
Fat Freddy’s Drop@UNIT
今年はベスト10というの区切りは止めて、記憶が鮮明なものから順にリストアップしてみました。ライブハウスやクラブには毎週のように足を運びましたが、こうして見ると偏っているというか、結局好きなものはその辺だなって思います……。やはり今年のベストアクトはPhil Lesh & the Terrapin Family Band。もうこれは夏休みの思い出っぽい感じに美化されている感じも否めませんが、昔アメリカまで観に行ったPhil Leshたちの初来日というストーリーもありつつ、グレイトフルデッドの曲が日本でたくさん聴けたのが涙ものでした。過去のブログで音源も公開しているので興味ある方はぜひ聞いてみてください。まさかその次がBrutal Truthになるとは自分でも思ってもいませんでしたが、米国グラインドコアの大御所の解散ライブでした。あんなに激しくて重いのに、スカッとしたユーモアセンスが最高でした(だからナパーム・デスが好きになれないんだと思う)。毎年行っているLabyrinthでのハイラトはDozzy。ダンスミュージックで初めて、涙が出るほど素晴らしいテクノセットでした。Kraftwerkはあの音が今の音像で再現されていて、(もちろんですが)古びれていなかったのも良かった。Jupiterは今年一番のめっけもんのアフリカン・ミュージック。アフロでありながらもFishbone的なハミ出し感もあって、今年一番のアフロ・ロック・グルーヴを聴かせてくれました。
Lord Echoのライブレポは以前にブログにも書きましたが、大好きなニュージーランド・レゲエの中でも最もアフロ〜ファンク寄りに進化した音を初めて日本で聴けて大興奮。2015年1月に大阪では再来日するそうでうらやましい! John Butler Trioはオーストラリアを代表するルーツロックバンドですが、最新作『Fresh & Blood』の出来の良さを反映するかのような、広がりのあるサウンドを聴かせてくれました。あれでEX-Theaterのヘタ過ぎるライティングなければ完璧だったのに……というのはちょっと残念でした。Hot Tunaは先述したグレイトフルデッドと同時期に活躍したサンフランシスコのサイケシーンの顔、ジェファーソン・エアプレインのメンバーによるデュオ・プロジェクト。ヨーマとジャックはもう50年以上にわたる仲で、ひとつひとつ紡ぎ出すアンサンブルが素晴らしかったです。次は自分が高校生の頃の大好きだったシアトルの重苦しいグランジバンド、アリチェンの10数年ぶりの来日公演。オーバードーズで他界したレインの代役を担うボーカルが予想以上に素晴らしく、アリチェンのダークな世界観は今でも健在だったことに涙した一夜でした。
NASは以前にサマソニで見たときも素晴らしかったのですが、今回は名盤『Illmatic』の再現ライブということもあり、もうクラシック曲のオンパレード。NASは粋な曲間のMCを挟んで次々に名曲を披露していくところに、天性のエンターテイナーさを感じます。
Eddie Palmieri Salsa Orchestraがパーカッション&ティンバレスというクラシックな大所帯編成の演奏で素晴らしかったです。Eddieの洒落たピアノはジャズとラテンが混ざって生まれたサルサの原点を体現しているかのようでした。Soul Clapはハウスミュージックの楽しさ、懐かしさを分かりやすくクラウドに伝えてくれたし、Rroseの突き放すようなエレクトロ・ミュージックセットも素晴らしかったです。
そして個人的にはFat Freddy’s Dropの初来日公演が今年のベストになると思っていたのですが、自分の思い入れが強すぎたのか、残念ながら最下位。その理由はトロンボーンのトビーにありました。あんなにも繊細で内包的な音なのにも関わらず、全身タイツで”オレのダンスを見ろ!”と言わんばかりに、汗だくでステージ上を我が物顔で駆けずり回るパフォーマンスがどうしても許せませんでした……。音も演奏も最高で目を閉じていれば最高なのに、まぶたを開ければデブがエアロビかましてるという、あまりにも目に余るパフォーマンスのおかげで台無し(個人的にはね)。オセアニアのバンドは音と世界観がミスマッチなことが多く、だからこそ洗練されていないのは百も承知だったのですが……ここまでだとちょっと辛かったです。もっと大きい会場で観ていれば気にならなかったのかもしれないですけどね。。。
最下位は残念(こう書きたかった)でしたが、他にも書きたい良いライブはたくさんありました。個人的に2014年はオーバーグランドな音楽にあまり興味を持てなかったので、そうではないところのアーティストのライブ(DJもね)が面白かった印象がありました。また来年も良い音楽に出会えることを楽しみにしています。