去年(2017年)の10月に再び東川を訪れる。今回はちょっと気になっている物件(原野※前回ブログ参照)もあったこともあり、現実的に東川町と向き合ってみた。もし原野に自分たちがイメージする家を建てるとしたら、工務店さんにお世話にならなきゃいけないと当時は思っていたし、まぁどんな感じなるのだろう? 東川町は旭川からすぐそばに位置していて、北海道のなかでも“道北”と呼ばれるエリアで、冬はマイナス20度近くになることもある厳しい環境。壁の厚みから二重サッシ、暖房器具はどうするのか、薪ストーブっていくらだっけ? とうぜん、本州に家を建てるのとは話が違う。それといいなと思っている場所は、宅地用の土地ではなくて原野だ。当然、地ならしも必要になる……一体どれくらいのお金がかかるんだろう。

 それと原野はどんな地形なのか、今のままだと草が生えまくっていて地形がわからない。ということで、だだっ広い原野の草を刈ってみることに。そうするとポイントによっては石が捨てられた山があったり、あとは重機も捨てられていたりして、地形以外にいろんな発見もあった。

原野。とりあえずどんな地形がわからないので、頑張って草を刈る

打ち捨てられた重機

 続いて、東川にあるいくつかの工務店さんを訪れてみた。で、これ結論から言うと、予想以上に高い金額だった。土地代は安いにしても、建物に関しては都心に高級注文住宅を建てるのと大差がない。しかもゲストハウスをやるなら、住宅よりも広い間取りが必要なのでさらに高くなる。で、当然ながらそんな予算はない。いろんな工務店さんと話をしながら、”ああ、そうなんですね~”とは言いながら、なんだか話は上の空になってしまった。というのも、今回一緒に行動しているひとりに、建築事務所を運営する友人がいたことも大きい。地面が凍結するから念入りな基礎工事がいるとか、寒いから分厚い断熱材もいるし、サッシも二重にするからどうしても工賃も手間もかかるから高くなります……でも、やっぱりそこまで高くもならなさそうなんだよね。。。たぶん、こちらが提示した土地が、だだっ広い原野であったことも原因かもしれない。そんな広い原野を造成して家を建てるのなら、そら当然お金もありますよね、ってな話。その原野の隣にお住まいの住人の方に話を聞いても、造成(地ならし)にお金がかかるのはもちろん、除雪も大変だったり、この場所はカメムシがとっても多いから、虫が苦手な人には暮らすのは難しいかもなど、ありがたいお話を聞かせてもらった。そんなこんなで、原野に憧れの一軒家を建てるっていう夢は、知るほどにそのハードルの高さを知り、追っても掴めない霧のように、遠のいてしまったのだった。

10月の末ですっかり冬景色の旭岳

 でも、その代わりに良いこともいろいろあった。東川の気になっているお店、お世話になった宿のオーナーさんなどに、”この場所への移住を考えているんです”と口にすると、みなさんがこの町のいいところ、よくないところを、包み隠さずしゃべってくれる。もちろん考え方は人それぞれだけど、誰もが親身になって話を聞かせてくれるのは確かで、それがこの町のいいところなんだな、とも思った。やっぱり直接町の人と話すことで得られる生の情報というのは、ネットで調べるものとは全然違う。それもあって、いきなり見ず知らずの土地に家を建てるよりも、まずは情報収集も兼ねて、試しに住んでみるのもいいかなと思うようになった。

山だけでなく麓町も積雪。スタッドレスをまだ履いてない車も多くて大混乱。

十勝岳もすっかり厳冬期の雰囲気。もう初滑りをした人がいるらしい。