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『Flesh & Blood』John Butler Trio

もともと2000年代半ば起きたサーフロックの盛り上がりから出てきた感じですが、オーストラリア流のルーツ・ミュージックに根ざした正統派バンドといった印象を持っています。レゲエやブルースなどがベースにありつつ、今作はかなりロック色もあり、メイン・ストリームによってきたポッ感じもありますが、まったくわざとらしくはなく、自然と成長してこうなった感じが良いですね。スケール感もましているし、意外と90年代ロックが好きな人にもピッタリきそうなアルバム。ジョンと言えばアコギにさまざまなエフェクトをかける個性的なテクニックを持っていますが、こちらは同郷にジェフ・ラングという師範代クラスがおりますので、こちらもぜひチェックを。

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『Sugar』G.Love & Special Sauce

あ、これは4/25リリースですね。ブルースとヒップホップをまぜた音楽性で90年代から活躍するGラヴ。今作はバンド名義=Special Sauceで、しばらく仲違いしていたジミー・ジャズ(bass)、ジェフリー・クレメンスによりオリジナル・メンバーが参加しています。個人的にはジミー・ジャズのファンなので、もう彼が参加しているだけで嬉しい。ジミーはウッド弾きながらにZEPを快く愛するロック・ベーシスト。Gもジェフリーもわりとダラっとしたリズムが多いのに対して、ジミーは前のめり。彼のベースがあるおかげで曲にハリが出るんですよね。OKAY PLAYERから彼らが出てきたときは“なんてヒップな音楽なんだ!”って興奮しましたが、それも20年近く前のこと。すでに真新しさはないですが、身体を預けられる心地良いグルーヴはやっぱり良いですねー。

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『Live At the Warfield』Phil Lesh & Friends

新譜でも何でもないですが、祝フィル・レッシュ発来日!ということで2007年に日本盤もリリースされているライブ盤を。今年のフジロックの目玉は蟹江でもジャックジョンソンでもなく、間違いなくフィル・レッシュ! あ、ちなみにフィル・レッシュはGrateful Deadのベーシストで、今でも自身のバンドを率いてライブ活動を行っている、アメリカジャムシーンの最重要人物です。フィルはデッドのメンバーのなかでもきってのインテリでクラシックなどの素養もありつつ〜アシッド体験とともに即興演奏の可能性を広げていきました。アメリカのジャム・バンド・シーンって本当に懐が深くて、ミュージシャンとオーディエンスが一緒に人生を過ごしていく濃い関係が良いですね。日本だと伝説のフジロックでのフィッシュ3日3晩公演などを発起に、2000年代半ばに一度ピークがあり、その後はまた低迷していますが、そんな日本の衰退はまったく関係なく本国では今でも素晴らしいバンドがたくさん活躍しています。僕も2008年にBonnaroo Music Fesでフィルのバンドを見ましたが、デッドの曲もたくさんプレイするわで、最高でした。ちなみに本作は2006年のライブ盤。やっぱり今年はフジロックいかないとですねー。