Jupiter & Okwess

 ワールド・ミュージック系のショウケースライブイベント“SUKIYAKI TOKYO”の3日目に出演したJupiter & Okwessのライブがとてもよかったので覚え書きがてらレポートします。Jupiter & Okwessはアフリカ・コンゴで活躍するローカル・バンド。コンゴの音楽と言えば2006年に公開されたドキュメンタリー映画『Jupiter’s Dance』をきっかけに、日本でも知られるようになりました。最近だとKasai All StarsやKonono No.1などが注目されていたのは記憶に新しく、彼らの電子親指ピアノと民族打楽器のサイケデリックなリズムに、当時ぶっ飛ばされた記憶があります。

 さて、本題のJupiterはコンゴのキンサシャにて20年以上に渡って活動するJupiter Bokonjiが率いるバンド。彼らも映画『Jupiter’s Dance』で紹介されていて、それを機にデーモン・アルバーンがコンゴ・キンサシャのミュージシャンたちを録音してエディットした作品『Kinsasha One Two』にも参加しています。ただこの作品でJupiterがフィーチャーされている曲は、かなりのエディット&音響処理が施されていたのでまったく覚えていませんでした。そんなJupiter率いるJupiter & Okwessはナイジェリアのアフロビートをしっかりと吸収しつつも、ロックやファンクなどのポップ・ミュージックの尖った部分を備えた、刺激的なグルーヴ・ミュージックでした。もともとロックあがり僕としてはFishboneにも近いヤンチャさ、それでいてジャンルを超えようとする逸脱感があるように感じました。当のJupiter Bokonjiは40歳を過ぎていますが、そのほかのメンバーは若さほとばしる演奏で(特にギタリスト!)、オーディエンスをロックしていく姿がめちゃくちゃカッコ良かったです。アフロビートだとSeun Kuti & Africa 80の演奏も良かったですが、斬新さや勢いという面では断然Jupiterの方が好みです。アルバム『International』も中々に良い出来ですので、気になった方はぜひチェックしてみてください。