もうそんな時期なのですね。KanyeとかVampire Weekendなんかも良かったですが、
同じようなものを載せても意味ないので、ちょっとマニアック目線、
もしくはとにかくよく聴いた10枚を挙げてみます。

『Blackbird』/Fat Freddy’s Drop
『Random Access Memories』/Daft Punk
『Long. Live A$AP』/A$AP ROCKY
『Overgrown』/James Blake
『No Beginning No End』/Jose James
『Pour une Ame Souveraine』/Me’Shell Ndegeocello
『Treat Me Right』/Trus’Me
『Legacy』/RP BOO
『Fight Against Babylon』/New Zion Trio
『The Ten Dubs That Shook The World』/Sheff Lindo and The Hammer
『Colonial Pattern』/Huerco S.

『Blackbird』はFFD好きとしてはしょうがない。前作よりもバンド感もあり、かつプログレッシブな雰囲気やダブステップな感じもあり、素晴らしい出来でした。『Random Access Memories』はいわずもがなですが、彼らがさらに知名度を上げるためのビッグ・プロジェクトとして、生演奏をフォーカスするのは必然だったようにも思います。ヒップホップは一枚挙げるとしたら『Long. Live A$AP』かな。日本盤のリリースが遅かったので昨年取り上げられていましたが、ゆるめのBPMといいシンセ使いといい今っぽくて、かつクラシックなパワーがありますね。あとはOdd Future回り、Danny Brownなど、良作が多い印象。『Overgrown』は評価の分かれるところではありますが、僕は断然支持派。彼の魅力はダブステップではなく歌ですから、その点で見たら収穫の多い作品ですね。
好物のブラック・ミュージック系では『No Beginning No End』に軍配を上げます。簡単に言うとD’Angelo直系。もうこれは好みですねー。その点ではRobert Grasperの方が断然話題ではありましたが、どうしてもリズム面の黒さにフォーカスしてまう僕としては、『Black Radio2』はあまり面白みを感じなかったです。『Pour une Ame Souveraine』孤高のミュージシャン、ミシェル・ンデゲオチェロの良作。ニーナ・シモンのトリビュート作なのですが、ミシェルとニーナは憂った声質がすごく似ているし、アレンジもすごぶる良くて音楽的にも質の高い素晴らしいアルバムでした。ガラっと変わって『Treat Me Right』はUKのデトロイト・ハウス傾倒者の最新作。前作のような黒さはないのですが、テッキーなビートをやらせても器用な音作りで、けっこう聴いてました。
『Lagacy』は今年の注目シーンだったシカゴ・ジューク/フットステップの中でも一番変態度が高かったです。この手の音楽はBPMの速さとビートの複雑さばかりが注目されますが、個人的にはソウルフルなシンセ使いだったり、ウワ音の揺れた感じのグルーヴの方に魅力を感じます。RP BOOは個人的にはShackletonにも似たフィーリングがあって、気がつくと再生しているくらいに聴いたアルバムです。『Fight Against Babylon』はNYで活躍するジョン・ゾーン〜マイク・パットン界隈のピアニスト、ジェイミー・サフトのピアノ・ダブ・トリオ。もともとドストレートなダブ好きの自分としては、なぜわざわざオーソドックスなジャズ〜ダブなこのアルバムを挙げるのかちょっと微妙な気もしますが、心地よい響きなんですねー。ダブとして優れているわけでも、ジャズの即興が素晴らしいわけでもない、その絶妙な中庸さがダラっと聴くのに良いのです。『The Ten Dubs That Shook The World』は新譜ではなく再発もの。1980年代のオーストラリア発の打ち込み好きのレゲエオタクが作った作品ですが、これがなかなかに素晴らしくてビックリしました。その後勃興してくるブリストル周辺のニュー・ルーツのサウンドなんて、ほぼここで完成されているんじゃないかと思うほどの出来。徹底したローエンドへのこだわり。ダブ好きは一度聴いてみてほしいアルバムですね。
『Colonial Pattern』は最後は趣味のダブテクノ系。とは言えどちらかと言うとデトロイト・ビートダウンではあるのですが、NYのアーティストなんですよね。くぐもったビート&シンセの世界観が好みで、これまたヘビープレイな一枚でした。Deepchordとかよりも、もう少しグシャっとしていて良いです。個人的にはガッツリ4つウチのテクノにちょっと飽きてきた感があり、ドローンっぽかったりユルめのものを聴く機会も多かったのですが、そういう中ではDonato Dozzyの『Donato Dozzy Play Bee Mask』とか、インダストリアル・ニューウェーヴなRicardo Tobar『Treilis』なんかも良かったです。気がつけばロックが一枚もない!David BowieやSusan Tedeschi、Queens Of The Stone Ageなど良作はあったのですが、残念ながら聴き込むほどの作品は無かったので挙げませんでした。そういう意味でも、かなり偏った10枚ですが、紹介されていないものも多いので、気になったものがあればチェックしてみてくださいね。次はベスト・ライブ10選、年末までには書く予定です。